みちびきライト

© CC BY 4+ visibility6723
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夜道を照らしながら目的地の方向を教えてくれるライト(懐中電灯型デバイス)です。
光の中に目的地の方向と距離が映し出されます。
目的地はQRコードを読ませることで簡単に選択できます。

link https://youtu.be/jpvJqmGiys4
  • WUG賞 by 特定非営利活動法人日本ウェアラブルデバイスユーザー会ヒーローズ・リーグ 2023
  • オンラインヒーロー by 一般社団法人MAヒーローズ・リーグ 2023
  • ひげだるま賞 by ひげだるまヒーローズ・リーグ 2023
  • FINDERS賞 by 株式会社シー・エヌ・エス・メディアヒーローズ・リーグ 2023
  • 創意アイデア賞M5Stack Japan Creativity Contest 2023
動画
開発素材

デバイス

ツール

システム構成
system image
  • みちびきライトすべての制御はM5Stack Core2を使用しています。
  • みちびきライトの光は、道案内するための矢印や目的地までの距離の情報が表示できるようになっています。そのためただの光ではなく、レーザープロジェクターを使用して映像として地面に投影しています。
  • プロジェクタが投影する映像はM5Stack Core2で生成し、M5Stack用ディスプレイモジュール(HDMI出力)を使用しています。
  • 目的地の方向を計算するためには、自分の位置情報を取得する必要があります。今回、M5StacK用GPSユニットで自分の位置情報を取得しています。
  • みちびきライトがどのような姿勢で、どっちの方向に向いているかを知る必要があります。そこで、BNO055使用9軸センサーフュージョンモジュールキットを使って、「みちびきライト」の姿勢を計算してきます。(みちびきライトはいろんな角度に持って、いろんな角度から投影することができるため、常に回転角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)とその姿勢における北に対する角度を常に計算しています。)
  • 目的地と自分の位置情報と「みちびきライト」の姿勢(北に対する角度)から、目的地の方向を計算して目的地の方向を指し示す矢印を作画しています。同時に距離も計算しています。(ヒュベニの公式(Hybeny's Distance Formula)を使って計算しています。)

  • 目的地の設定は、QRコードから登録することができます。QRコードを読み込むためにバーコードスキャナモジュール(1D/2D コードリーダ)を使用しました。
  • QRコードの中身は緯度、経度の数値データのため、QRコードを用意するだけで、簡単に新しい目的地を用意することができます。(みちびきライトは数値を読んで計算しているだけなので、みちびきライトでQRコードと目的地のテーブルを持っているわけではありません。)

  • 各センサーとM5Stack Core2のインターフェースとして、M5Stack用Busモジュールを使用しています。
  • ケースは現在はダンボールで自作し、その後3Dプリンタで製作しました。みちびきライトというドラえもんのひみつ道具のようなネーミングに合わせ、ドラえもんのスモールライトのようなデザインにしています。3Dプリンタを使っているので、もっと実用的なデザインにすることもできます。

みちびきライトの中身は次のようになっています。

プロジェクターから投影する光の映像とは別に、M5Stack Core2の液晶画面で受信している衛星の数や位置情報を表示してデバックで使用していました。

This device is a flashlight-type device that illuminates the nighttime path while also indicating the direction to the destination. The direction and distance to the destination are displayed within the light.

The control of this device is using the M5Stack CORE2. The light of the flashlight is not created by an LED or a bulb. It is created by a small projector. The images projected by the projector are generated by the M5Stack CORE2. To input the images into the projector, I used M5Stack Display Module. To calculate the direction to the destination, it is necessary to obtain one's own location information. I used M5Stack GPS Unit. To determine the orientation of the device (which direction it's facing relative to the north), I used a 9-axis sensor, BNO055. This device uses Hybeny's Distance Formula to calculate the direction to the destination and the distance to the destination. Destinations can be loaded using QR codes. barcode scanner module (1D/2D code reader) is used for reading QR codes. To interface with each sensor and the M5Stack CORE2, the M5Stack Bus Module is used.

ストーリー

情報を得る手段が、スマートフォンやPCなどの端末の画面から得るのではなく、身の回りに染み出した世界を実現したいと考えてこれまでもさまざまな作品を製作してきました。

今回、夜道を歩くときに懐中電灯で照らした光が行きたい場所まで案内してくれたら、面白いのではないかと思い、作品を製作しました。

アイデアを実現するまでの流れ

投影する光(映像)

光を使って情報を物理世界に投影するというアイデアは2年前にありました。様々なxR技術がありますが、どうしてもスマートフォンやHMD越しに世界を見る必要があるため、世界の方に情報を投影してみたいと考えたからです。

その時に小型のプロジェクターを購入していました。ところが、投影する映像を小さなデバイスの中で作画する方法が思い浮かばず、アイデアのまま眠っていました。

そんな中、2023年になってM5Stack Core2からHDMI映像出力できるM5Stack用ディスプレイモジュールが販売されたことを知り、今回の作品製作を開始しました。まずはM5Stack Core2とM5Stack用ディスプレイモジュールを使って、映像が作画できることを確認していきました。

映像はフレームごとに画面全体を作画すると、かなり遅延があることがわかりました。遅延があると、みちびきライトを振った時の動きと矢印の動きが連動しなくなります。 そこで、フレームごとの差分だけ描画することで遅延のない作画を実現しています。具体的には、1フレーム前の矢印と目的地までの距離を表示している画素だけ消して、変化のある部分だけ新たに作画することを1つのフレームの中で行っています。こうすることで高速の作画を実現しています。

位置情報

これまでに位置情報を使った作品として、目的地の方向に傘を倒す装置「カサナビ」や、遠く離れた所に住む大切な人とお互いに、空間的に向かい合ったときだけ会話ができる見えない糸で結ばれた糸電話 「ミエナイトデンワ」などの作品を作ってきました。目的地の方向を計算する技術はこれらの作品で使用した技術を応用して今回の作品にも取り入れています。(ただし、「カサナビ」や「ミエナイトデンワ」で使用していたセンサーが製造終了となっており、現在手に入るデバイスでプログラムを開発する必要があり、特に姿勢を計算する9軸のセンサーの選定とプログラム開発に 時間がかかりました…。)

目的の情報の登録方法

自分のいる位置はGPSセンサーから取得することができますが、目的地の情報の登録は何かしら別の手段で取得する必要があります。スマートフォンやインターネットを経由して登録することもできると思いますが、できるだけそれらを使うことなく、「みちびきライト」だけで完結する方法を模索していました。

今回、バーコードリーダー機能を持たせて、QRコードから目的地の情報が取得できるようにしました。QRコードをスキャンするだけで、目的地が登録でき、その場所に導いてくれます。ライトの形状がバーコードリーダーして使用しても違和感がないため、世界観を崩さず目的地の登録ができる仕組みにできたと考えています。

また、QRコードの中身も目的地の緯度•経度の情報(数字)なので、新しい目的地用のQRコードを簡単に作ることができます。(そのときのみちびきライト側の設定は不要です。)

その後、3Dプリンタを使って、ドラえもんのひみつ道具のようなケースを作りました。

みちびきライトのターゲットと用途

みちびきライトを使ってもらいたいターゲット層と、想定させる用途を考えてみました。

ターゲット層

  • 地図アプリやスマートフォンを使うのが苦⼿な⼈
  • 夜道を探検したい⼈
  • 特別な設定が不要なため、誰でも、いつでも使⽤可能

想定される使⽤⽤途

  • 普段の夜の散歩や夜道探検
  • 災害時に暗闇を照らしながら避難所の場所や集合場所を表⽰するライト
  • ⾃転⾞の宅配サービス (⾃転⾞のライトをみちびきライトに置き換えて、お届け先の家の⽅向と距離を表⽰)
  • 街を探検する謎解きゲーム

(例)謎を解くと次の⾏き先のQRコードがもらえる

  • 夜景などの夜の観光案内で、名所を案内するツール

みちびきライトの小型化

みちびきライトの小型化を進めています。使用しているレーザープロジェクタの小型化や、マイコンやセンサーの配置、デザインを再検討することでみちびきライトを小型化しました。まだ大きいものの、かなり持ちやすくなりました。

メンバー

カサネタリウム

  • user
    堀洋祐 Yosuke Hori /カサネタリウム kasanetarium @kasanetarium

関連イベント
  • event ヒーローズ・リーグ 20232023-08-28 開催
  • event M5Stack Japan Creativity Contest 20232023-07-15 開催
  • event 「Maker Faire Tokyo 2023」の出展作品まとめ(一部だよ|非公式だよ)2023-10-14 開催
  • event NT東京2023:出展作品(一部|非公式だよ)2023-11-04 開催
  • event 「Maker Faire Tokyo 2024」の出展作品まとめ(一部|非公式だよ)2024-09-21 開催
  • event 「Ogaki Mini Maker Faire 2024」の出展作品まとめ(一部だよ|非公式だよ)2024-11-23 開催
関連リンク
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オンラインヒーロー by 一般社団法人MA @ヒーローズ・リーグ 2023

決勝進出者の相互投票と、ヒーローズビンゴの結果により選出されました。
アニメの世界にあったかのような「錯覚」を覚えてしまうような、アイデアと完成度を兼ね備えたプロダクト。
アイデアのひらめきだけではなく、それを実現してしまう圧倒的な技術力とこだわりで、みんな納得のヒーロー賞。
2023年のものづくりを代表する作品といっても過言では無さそうです。

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WUG賞 by 特定非営利活動法人日本ウェアラブルデバイスユーザー会 @ヒーローズ・リーグ 2023

精度はどうか、視認性はどうか、安全性はどうか、というような実用性はともかくとして、シンプルで分かりやすいアイデアとデバイスの造形が、某猫型ロボットのひみつ道具のような、ワクワクさせられる「どこか懐かしい未来」を感じさせてくれて最高に面白かったです!

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ひげだるま賞 by ひげだるま @ヒーローズ・リーグ 2023

動画を見るだけで、作品のすべてを感じれる映像に、ずるいを超えてジェラシーを感じずにいられませでした。

user
FINDERS賞 by 株式会社シー・エヌ・エス・メディア @ヒーローズ・リーグ 2023

地図アプリがあっても「結局どっちに行けばいいかわからない」という人も少なくないであろう中、ゲーム利用にも何らかの課題解決にもつながりそうな両面性を持ち合わせており、「どんな風に使えばいいだろう」とワクワクさせてくれる点に惹かれました。ひみつ道具的な、思わず手に取ってみたくなるフォルムも素敵です。

user
創意アイデア賞 @M5Stack Japan Creativity Contest 2023

道案内ガイドとして非常に興味深いアイデアです。Core 2と GPS ユニットを使用し、道路上にガイドなど地面に投影し、GPS 機能を備えた懐中電灯です。とても良いアイデアなので、この作品をさらに小さく改善し、より実用的なものにしていくことを期待します。


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