タイプライターのキーを打鍵すると、その文字の形の判がついたハンマーが出てきます。筐体は金属製なので、ハンマーと筐体は電気的には接続されています。 そこでハンマーの根元部分の出っ張りの位置に電極を配置したプリント基板を設計しました。(位置は正確に合わせる必要があり、紙に印刷して十分に確認をしました) なるべく多くの入力ピンが使えるマイコンを探して、STCmicro社のSTC8G2K32を使いました。これは48ピンパッケージで、45本のIOピンが使えます。外部通信用のUART用の2本を除くと43本が使えます。しかしタイプライターについているハンマーの数には足りないため、8-3エンコーダ(74HC238)を1個使って、入力数を拡張しました。 タイプライターの構造上、スペース、キャリッジリターンなどはハンマーが出てこないために、この方法では検知できません。そこで、キャリッジリターンとスペースバーはフォトリフレクタ、シフトはローラー部が上がるのを接触で検知して、実装しました。ついでにUSBマイコンを使ってHIDキーボードとして使えるようになりました。
タイプライター・キーボード
完成
© CC BY 4+
1790
打ち心地のよいキーボードを求めて、150年の歴史がある「タイプライター」をキーボード化してみました。
-
特別賞 by ヒーローズ・リーグ運営ヒーローズ・リーグ 2022
- 動画
-
- 開発素材
-
デバイス
- システム構成
-
- ストーリー
-
打ち心地のよいキーボードを求めているうちに、150年の歴史がある「タイプライター」をキーボード化して見ようと思いました。150年の歴史を経て、心地よい打鍵感を求めて進化をしてきたはずで、きっと最高の打鍵感を持っているに違いありません。 なるべくタイプライターが持っている打鍵感を活かすために、メカニカルな部分にはなるべく手を加えずに、打鍵を検出する方法を考え、今回の方法に至りました。
- メンバー
-
-
- akita11/JunichiAkita @akita11
-
- 企画/設計/開発
-
- 関連イベント
-
-
ヒーローズ・リーグ 20222022-09-05 開催
-
NT金沢2023:出展作品(一部|非公式だよ)2023-06-17 開催
-
- 同じニオイがする作品
-
-
causal SW:センサー作例_不導体物に導電糸_ぬいぐるみ
-
AZ-COREで自作キーボードを自由で簡単に
-
M5Stack Core2を使用した自作キーボードキット、 AZ-M5ortho
-
ダイヤルを2つ搭載した左手デバイス(自作キーボード)
-
#先生なにやってるんですか シリーズ。
面白いし、ふつうに使えて良さそう。
タイプライターのもつ打鍵感と外観・構造を保つため、なるべく非侵襲で打鍵を検知するこだわりに引き込まれ、キャリッジリターンの実装にやられました。純粋に打鍵感も味わいたいし、キャリッジリターンしてみたい!
プロダクトとしての進化度外視で、オレトク的な欲求を形にした実装にも脱帽です。