魚眼カメラを使えば人間の視野を馬並みに拡張できるのではないか?と考え制作しました。
たまには人間的な視点を捨ててみましょう。
馬は頭部の両側面に目が付いていて、片眼視野角 215 度、総合視野角350 度、両眼視野領域 60~75 度ほどになっています。そのため、馬の視野は後ろ側の 10 度以外のほぼ全面が見えるパノラマ状態になっていると考えられています。
U-HMD は185度の魚眼カメラがHMDの両サイドに内向きに 22.5 度の角度をつけて取り付けられているので、片眼視野角185 度、全体の視野角 320 度、両眼視野領域 50 度を実現しています。
両眼視野領域は目の配置の違いや魚眼の影響で複視状態になることが多いですが、寄り目にすることで解決する傾向が見られます。
馬の視野を完全に再現できているとは言えませんが、広い視野を持つ馬の視野感覚を体験できます!!
二つの魚眼カメラの映像をPythonのOpenCVを使ってゴーグル内の画面に映し出しています。
既存のVRヘッドマウントディスプレイを使わずに、AliExpressで購入した左右分離型 LCDディスプレイパネルを使うことで軽量(1kgほど)で自由度の高いデバイス設計を実現しました。
Fusionを使用して馬の形状をモデリングしました。
一度最低限の機能だけを実装したプロトタイプを制作し、内部のデバイスが収まる様に馬の頭を調整しています。馬のビジュアルと性能を維持したまま、極限まで小型軽量化しました。(1kgほど)
外装を細かく分割して印刷することで、サポートを減らし、滑らかな曲面を実現しています。
U-HMDを装着して歩き回ることが前提のため、カメラ、ディスプレイ、PC、バッテリーのすべてが頭部に装着するデバイスで完結するようにこだわりました。
バッテリーでの稼働時間は 1 時間ほどです。
PC の熱はファンで鼻孔から排熱します。
展示歴
OMMF2024
ヒーローズリーグ2024 展示会
左右に取り付けられた 185 度の魚眼カメラの映像を小型の WindowsPC(GMKtec NucBox G2)上でPython(OpenCV)を用いて処理し、HMD 内部の特殊なディスプレイ(WisecocoLCD ディスプレイ LS029B3SX02)に表示することで、馬の視野に近い体験を実現しています。
電力はモバイルバッテリーから供給されています。
Fusionのフォームモデリング機能を使ってモデリングしました。
細かく分割することでサポートのほとんどない3Dプリントが可能です。