接触感染通知アプリ(COCOA)では、近接チェックに Exposure Notifications API(以下 EN API)を使っています。 EN APIは、OSレベルで動作し、BLEでブロードキャスト通信(アドバタイズデータ)を使って、電波の受信強度で距離を測定しています。 EN APIで発信されるBLEデータは公開されていますが、実際のところ何処まで距離が測定できているのかが判断しづらいのです。
これをM5StickCPlusを使いシミュレートしてみる実験です。 送受信データは EN API と同等のものを用意しています。
M5StickCPlus で
を実装してしています。 M5StickCPlus は、スマホの EN API と同様に、ペリフェラル(送信)とセントラル(受信)の両方の機能を持っています。
特徴としては、
蓄積したデータを検索などで見ることにより、距離チェックの詳細な確認を行うことが可能となっています。 個人がすれ違った場合や、同じ教室にしたときのパターンをチェックできると考えられます。
また、M5StickCPlus が正常動作していることを確認できるように、別途ノートPCで確認ができるツールを作っています。 これは .NET で Bluetooth がついているノートPCを使います。
大学内で使うことを想定し、構内Wi-Fiがあるときだけ送受信するようにしてあります。 これにより構外(通学中や家など)でのデータ蓄積はできず、実験時のプライバシーが保たれるようにしています。
今後の課題としては、BLE のアドバタイズの送信と受信は、原理上同時に行えないため、- 送信と受信を交互に行うことになります。 これを現在シミュレートと実装を検討中です。
共同開発:増田智明、松丸絢、奥村貴史教授(北見工業大学)
近接データ(TempID、時刻、電波強度など)の受信状態の詳細をチェックできる。
The details of the reception status of proximity data (TempID, Timestamp, RSSI, etc.) can be checked.