電流イライラ基板(ボード)

○開発背景

90年代、TVの前でワクワクしながら見ていた電流イライラ棒。おもちゃも売られてましたし、ニンテンドー64のゲームもなっていましたね。あの頃、みんなでテレビで流れるイライラ棒を楽しんでいたのではないでしょうか。懐かしいですね〜

記憶の片隅に残っている思い出の一つだったのですが、たまたま自分の作った基板を眺めている時に

あれ？このスルーホールを使ったら、基板で電流イライラ棒みたいなものが作れるんじゃないか？

と思いました。スルーホールは基板の側面に銅箔があり、接触すると電気が流れるようになっています。このスルーホールは基板上のコネクタ固定によく使われるのですが、スルーホールを大きくしていったら、別の用途に使えるのでは？となったわけです。

Kicadを使い長穴スルーホールを定義して、これを組み合わせていくと、いろんな形が作れることを発見しました！！！やばい、これは面白そうだ。

夜の12時、明日も仕事だというのに勢いでコースを作成。翌日にはM5Stack Core2で動くゲームにしようと具体的な基板の設計を行いました。

90's in Japan, there was very interasting TV show. This TV program made original game "Denryu Ira Ira Bou" .This game is so famous that related products such as video games, game center playground equipment, and toys have been released. And this products is hommage for this game.

When I saw my original circuit board, I 've got this idea and made circuit board with KiCad.

○開発の苦労

今回この電流イライラ基板を作りに当たり、困ったことがありました。 それは、基板の製造を断れるということです。 最初に依頼したのはJLCPCB。中国にいるということで中国版のJLC.com経由で基板の依頼をしましたが・・・

このように作れませんと言われてしまいました。

そこで次にelecrowに基板の製造を依頼。するとOKとのこと！！ 断られたこともあり、本当にちゃんと作ってくれるのかなぁと心配でしたが、届いた基板をみると、完璧！

変な形ではありますが、ちゃんとスルーホールとして処理をしてくれました。ありがたい。elecrowのおかげでイライラ基板を作ることができました！！

I had some trouble making the circuit board. Because I was rejected by JLCPCB to produce PCB. After that, I asked Elecrow.Fortunately ,producing is accepted!! But I was worried until it was delivered .Esplecially I was worried that they wouldn't manufacture the circuit board as I requested.

○開発した感想

今回この開発を通して抵抗、コンデンサ、ICを実装するだけではなく、メカ部品の一部としての可能性を感じることができました。もちろんメカ部品の一部として考えると耐久性はないと言えますが、基板を上手に活用することで新しい体験を作ることができるという発見がありました。何かアイデアが思い浮かんだら、アイデアで留めずに実際に作ってみる、やってみるというのはとても大切だなと改めて思い出すことができる良い機会になりました。

コロナ禍はまだ続きますが、こうやってちょっとした体験ができる、誰かとオフラインで気軽に競うことができるプロダクトはやっぱりみんなでやりたいなと思いました。 当分中国での生活になるため、日本で皆さんに体験してもらう日はまだ先ですが、機会があれば持っていこうと思う、そんなプロダクトになりました。

○クレジット

このイライラ基板のゲームでは以下のBGMを利用させていただきました。ありがとうございました。

OtoLogic 様 "前線へ突撃せよ"

甘茶の音楽工房様 "軽序曲"

またその他効果音は効果音ラボ様 を利用させていただきました。

○遊び方

棒が基板に接触しないようにゴールまで辿り着けるか競うゲームです。

基板に触れると残機が減っていきます。３回接触したらゲームオーバー。もう一度チャレンジしてみましょう。 またタイム計測もしているので、誰が早くゴールできるか競うのもいいですね。

ゴールまでは長い道のりです。曲がりくねった道、細くなっている道などがあります。途中で疲れてしまうと思い、途中で休憩エリアを設けました。この場所に入ったら、一度棒を抜いてOK。気持ちが整ったら再度入れて再開しましょう。

慣れてきたら残機を２や１にしてみましょう。待機画面でCore2のボタンを押すと残機を変更することができるようになっています。 君は一度も接触することなくクリアできるか！？

How to play

This game just compete reaching the route without touching your gripping stick to the circuite board. You have 3 life . When you touch 3 times , it is game over. I think it is hard to reach goal without break time. so I prepare the breaking area. When you reach breaking area, you can release the stick! Once you get used to the game, try reducing your life. On standby view, please touch the button. then you can selec the life.

○システムについて

このシステムはM5Stack Core2と専用の基板から構成されています。

この基板の特徴はとユーザーが持っている棒が接触すると電気が流れるスイッチとなっているところです。 構成図にあるように基板側には3.3Vが流れており、Core2のGPIOはHIGHの状態になっています。そして、ユーザーが手にする棒の方はGNDにつながっています。もし基板と棒が接触するとGPIOはLOWになり、接触したことがわかるという単純な仕組みでできています。 そして表面に接触するだけでは正直ゲームとして成り立たないので、基板も穴の内側に銅箔が塗布されています。 ぶっ飛んだ基板の使い方によりイライラ基板は出来上がりました。

また入口、休憩ポイント、出口のところにフォトリフレクタを設置、またNeopixelを3個設置しました。 フォトリフレクタはコースを通過する時の時間計測のトリガーとなっており、 入口で反応するとスタート、休憩ポイントでは一時停止して、再度進むと計測、出口でカウント終了です。 Neopixcelは残機の確認のために点灯するようになっており、接触すると一つずつLEDの点灯が減っていきます。

M5Stack Core2ではSPIFFSを活用し、画像や、BGM、効果音のデータを格納し、ゲームの進行状況に併せて表示や再生を行うようにしています。特にmp3はシングルコアで行うと画像処理と同じタイミングでデコード処理が行われるシーンが多いため、マルチコアを使うようにしました。こうする事でゲームがサクサク進むような工夫をしています。

System details

The system is constructed M5Stack Core2 and original big circuit board. About circuit board, it is a big swich. The course has 3.3V and stick has GND. when you touch the board with stcik , M5's GPIO detect it. I think this circuit board usage is crazy.

And this board has 3 sensors(Reflective Optical Interrupters ) and 3 LED(WS2812B). sensors are used to check passed time. and LEDs indicate remaining life.

About M5Stack Core2, it is control unit of this system. Especially, this game sytem uses many BGM and Images. Core2 supports showing them by SPIFFS. In developing, I found it is hard to develop with single core. therefore,this game uses dual corea and it makes smoothly game flow.