核家族化および共働き夫婦の増加に伴って、子育ての負担は増え続けている。時間も人的リソースも限定されている中で、育児をこなすことは非常に難しい。子を持つ親にとって「育児の効率化」は緊急の課題として挙げられる。そのような育児の負担ITを用いて軽減するのが「ベビーテック」である。少子高齢化が急速に進む一方、日本でもベビー用品・関連サービスの需要は拡大している。これは日本だけでなく他の先進国でも同様の現状である。
そこで本サービスでは4〜8歳の子どもを対象に、楽しく片付けを行わせることで親の負担を軽減するシステムを提案する。子どもがおもちゃで遊んだ後の散らかった空間を分析し、その散らかり具合に応じてモニター上にモンスターが出現する。おもちゃを片付けることでモンスターに攻撃を与えることができ、片付けが完了するとモンスターを撃破することができる。子どもが自発的に片付けを行う環境を作り出すことで、親が何度も”片付けなさい”と口にする必要がなくなる。つまり、親は子育てにおけるストレスが低減され、子は自立性が高まることが期待できる。
「かたづくえすと」は、4〜8歳児の片付け行動に着目した。玩具のセンシングを行うことで、玩具自体をIoT化するものと異なり、玩具のセンシングを行うものであるため、どの玩具に対しても適用可能である点が我々のサービスの強みの一つである。さらに、玩具をセンシングし、ゲーミフィケーションにより子供の片付け行動をナッジするサービスは現在存在しない。つまり、かたづくえすとはこれまでになかった新たな手法で育児への負担を軽減できるサービスである。
本サービスを利用し育児の一部をIT化することで、育児による心身的、時間的負担軽減が可能になり保護者のQoL向上につながる。保護者の精神的健康は子にも影響を及ぼすため、導入が広まることで社会全体の持続可能な健康状態の維持につながる。 加えて、本サービスは自宅に眠っているスマホをカメラ・通信デバイスとして有効活用することが可能である。このようにアップサイクルによる資源の再利用ができ、SDGsに貢献することができる。